プロサイクリスト 伊藤雅和

シエルブルー鹿屋監督 伊藤雅和のブログ 選手経験12年 ロードバイク教える人

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ジロ・デ・イタリア第20ステージレビュー

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ジロ・デ・イタリア第20ステージ。

フィネストレ峠に賭けたサイモンの一手を僕はずっと信じていました。

昨日のジロ・デ・イタリア。

あのアタックの瞬間を見てやはりきたか!と思いました。

今年のジロでサイモン・イェーツがフィネストレ峠で動く。

僕はずっとそう予想していました。いや、半分はファンとしての願望だったかもしれません。

でもこれまでの彼のキャリア、チームの戦略、そしてヴィスマへの移籍、そしてこのコースプロフィールを見れば、ここしかないと感じていました。

選手であれば、絶対に悔しい思いをした場所で、もう一度勝負したいはず。

サイモンイェーツにとってフィネストレはまさにそういう場所だったと思います。

 

サイモンイェーツは好きな選手

僕は昔からサイモン・イェーツという選手が好きでした。

双子のアダム・イェーツも好きで2人の違いを見つけるのも楽しくて2人とも動画で追っていた選手でした。

登れるし、下れるし、タイムトライアルも決して悪くない。

でもやっぱりサイモンの真骨頂はパンチの効いた山岳でのアタック。

 

2018年ジロ・デ・イタリア

特に2018年のジロは本当に強烈でした。

あのときはマリア・ローザを着て連日のように攻撃。完全にジロを支配していました。

でもその支配が崩れたのもまた、昨日のフィネストレ峠でした。

あの悪夢のような日。

順位は総合1位から18位まで転落。

フルームの強烈な独走の前にサイモンは対応できず総合優勝の夢が消えました。

あの日の失速は僕の中で今もはっきり記憶に残っています。

 

2025ジロ・デ・イタリア

昨日の第20ステージ。

レースはEFが麓からペースを作り、カラパスのアタックを匂わせながらフィネストレに突入。

案の定、比較的早い段階でカラパスが発進し、それにデル・トロが食らいついていく

若いデルトロが1人であそこまでついていく姿も胸にくるものがありました。

でもサイモンはそこで動かなかった。

冷静にペースを刻みジーと協力しながら、自分が行けると判断したタイミングでカラパスとデル・トロに追いつきました。

そこからのサイモンの動きはこれまでの19ステージとは明らかに違って見えました。

いつものサイモンを思わせるようなキレのあるアタックを繰り返す。

これぞサイモン・イェーツ。そう感じさせてくれる走りでした。

この3週間、サイモンは本当に静かでした。無理に反応せず総合上位の動きにも必要以上に絡まなかった。

「脚がないのでは?」と見えた人もいたかもしれません。

僕にはそうは思えませんでした。思いたくなかったのかもしれません。

バイクに乗っている姿を見ると軽やかで何かをずっと我慢しているように見えたんです。

「出し切らないように出し切らないように」そんなレース運びをしているように見えました。

 

ヴィスマへの移籍

そして昨日のレース。

さすがヴィスマだなと。

サイモンの走りももちろんですが、ワウトがここで合流してほしいというところでの合流。

まるで完璧に計算された一つのドラマのように見えたくらいです。

どこで出るか、どこで引くか、どこで“賭ける”か。

それら全てが計算されていたように感じました。

そして、その「賭ける場所」がフィネストレ峠だったのではないかと。

2018年の記憶があるからこそ今年のフィネストレでのアタックは単なる仕掛けではなかったと思います。

そこには、確実にサイモンの想いを感じられました。

7年越しの悪夢を自らの手で振り払うような走りに見えました。

あの時もそして今年も同じ峠。
でも今度は彼が勝者としての主役でした。

最終的な総合成績ももちろん素晴らしいものでしたが、僕が心を打たれたのはこの2018年からのドラマでした。

2018年から始まったこのドラマ。

カラパスとデル・トロの牽制。

そして3週間の我慢の末に自らの過去と向き合うように放たれたサイモンのアタック。独走。

凝縮された一日でした。

そんな日に解説に入れて感動しました。

上手く話せなかったところも沢山あったと思います。すいません。もっと上手く話せるように努力します。

 

とにかくまとめると本当に今年のジロも面白かったです!

今日の第21ステージはおそらくスプリント。
でもその前に、サイモンのピンクジャージ姿をじっくりと味わいたいと思います。

今日は男ピーダスンとグローブスの勝負ですかね?

今日も楽しみます!

 

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