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ロードバイク、ポジションの話 2~有名選手達はどうしているか~

投稿日:2020年5月23日 更新日:

時代によってフォーム、乗り方は変わっていっています。

僕は他の選手のポジションを見ることが好きです。

この選手はこうやって身体を使って乗っているかもとか、自分もこうやったらもっと速く走れるかもなどと見ていると面白くて、レースの展開より、そっちに夢中になってレースを見てしまいます。

なので今回はその有名選手のポジションについて書いていきたいと思うので、かなりマニアックな話になってしまうと思います。

そしてこれはあくまで僕がこうしていると思うという話で、合っている訳ではありません。

現在、主流になっている乗り方は?

過去の乗り方は自転車の後方に体重を置き、ハンドルにはあまり荷重がかからない乗り方でした。

最近の有名な強い選手、「グランツール」と呼ばれる世界で最も有名なステージレースで総合優勝しているクリス・フルーム選手、ゲラント・トーマス選手、サイモン・イェーツ、アダム・イェーツの双子選手、ナイロ・キンタナ選手などは自転車の後ろに体重が乗ってはいません。後輪と前輪、そしてその間、体幹部分に分散して荷重をかけているように見えます。

これは僕が見た感じなので合ってない可能性が高いかもしれませんが、今年のナイロ・キンタナ選手は昨年からポジションをいじり、昨年より上体が寝ているように見えます。上体を寝かせている分ハンドルにかかる力も強くなったように見えます。
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過去の選手に比べてこれらの選手に共通しているのはサドルの前後位置をかなり前に出して、ハンドルまでの距離が近くなっています。

 

前乗りの代表格、ゲラント・トーマス選手のバイク

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このバイクは2018年のツールドフランスを総合優勝したときのゲラント・トーマス選手のバイクです。

ゲラント・トーマス選手は乗り方を見ていると分かりやすく前に、そして体幹部分に体重をかけています。
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近年サドルの前後位置を前側に持ってくる選手は多く、乗り方的にそこまで前に過重をかけてなさそうな選手達もサドルを前に出していることがあります。

ジュリアン・アラフィリップ選手、アレハンドロ・バルベルデ選手

例えば昨年1年通して大活躍だった、「世界1のワンデイレーサー」ジュリアン・アラフィリップ選手や、「ステージレースで安定的に強い」ステーフェン・クラウスヴァイク選手、「2018年世界チャンピオン」アレハンドロ・バルベルデ選手などもサドルを前に出しています。

最後に挙げた「2018年世界チャンピオン」のアレハンドロ・バルベルデ選手などは今の乗り方と昔の乗り方で分かりやすく違っています。今の乗り方と10年前の乗り方が全然違うからです。
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2019年

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2009年

過去のオーソドックスな乗り方

ツール・ド・フランスで初めてイギリス人として総合優勝したブラッドリー・ウィギンス選手や同じくツール・ド・フランスで総合優勝したカデル・エヴァンス選手などはどちらかというと少し前の乗り方、いわゆるオーソドックスな乗り方だと僕は思っています。
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昔の選手達はサドルを大きく後ろに引いて、腰を後ろに引きながらしっかり座り、上半身でハンドルを強い力で引きながら走っていました。

過去と現代の選手達の違い

今の選手達はサドルを前に出し、ハンドルまでの距離も近く、体重を上手く自転車にかけながら、身体全体で走れるようにポジションを決めて、力を分散させて走っています。

今の選手達の方が平均して体幹部分と呼ばれるお腹周りや背中、腰の筋肉が発達し、脚やお尻周りの筋肉が細いと思います。

これらの乗り方が体幹部分を物凄く使いながら、尚且つ全身を使いやすい走り方だからです。

昔の選手達はお尻周りも物凄く大きく、その分今の選手達より体幹部分は細く、身体は全体的にゴツい感じでした。この乗り方だと体幹に力を入れることは難しいと僕は乗っていて感じます。

 

ロードバイク、ポジションの話 3~前乗りポジションにする為には~

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