僕達ロードレースの選手は2月~10月(前後1カ月)のシーズンが終わって、3週間から1カ月のシーズンオフを取り自転車に乗り始めます。
1カ月のオフが終わりロードバイクに乗り始めると、ここまで弱くなったのかとガッカリしますが、この弱くなった時は必ず必要です。
このオフを取らないと来てほしいときにピークがきてくれません。僕はまとまった休みを取らなかった年は見事に本当に大失敗をしています。ロードバイクの練習で長い休みを1年以上取っていない方は、勇気を持って休んでみてください。
以前休養を取る必要性について記事を書きました→
更に思い返してみると、しっかりオフを取らずに入ったシーズンがもう1シーズンありました。2017年 NIPOO 1年目です。この年も本当に大失敗しました。
目次
2016年 最終戦
2016年は愛三工業レーシングチームに所属していました。
2016年はシーズンが終わったのが11月の3週目でした。
この中国で行われたレースはチームからは出場してもしなくてもどちらでも良いと言われていて、自分で出場すると決めました。レース自体は出場して良かったと思えたレースでした。
僕が選手になってからかなりお世話になった綾部勇成さんの引退レースでどうしても一緒に走りたかったからです。
2017年の為のチームキャンプ
NIPPOだけでなく、海外チームには12月に必ずキャンプ(トレーニング合宿)があります。
NIPPOはそうでしたが、他のチームも僕が聞いたり調べた限りでは12月のキャンプでは結構自転車に乗って練習します。
その合間に来季の為の撮影や、チームミーティング、レーススケジュールの確認、チームキット(ウェアやアクセサリー類)の支給などが行われます。
つまり2016年の僕は11月の3週目まで走り、12月のキャンプで練習をやり始めたのは12月10日くらいでした。その間は2週間と少ししかなかったのです。それくらいの間しか休めていなかったのです(移動日は結構身体にダメージがきて、休めていないのでそれを除くと2週間も休めていない)
このようにしてしまった理由として新しいチームに行くので、最初からある程度走れていないとインパクトも残せないしダメだろうという気持ちもありました。
12月のキャンプでは全員で行く練習はそこまでキツかった記憶はありません。それは他のチームメートがコンディションがまだまだこれから上がっていくのに対して、僕は結構コンディションができている状態だったからです。
2017年そこからのコンディション
12月のキャンプである程度走れると思った僕でした。ただそこから、弱いのはもちろんありますが、コンディションが目に見えて良くなることは1度もありませんでした。
他のメンバーはどんどんコンディションが上がっているようにも見えました。
僕は強いていうなら3月の終わりからあったツールド・台湾というレースの時に復調するかもという兆しを見せただけで実際は身体に力強さを感じることは1度もありませんでした。
この年本当にコンディションが上がって欲しかったのは5月のTOJ、6月のナショナル選手権でした。
コーチからも12月のキャンプ、1月のキャンプとそう言われてトレーニングメニューも組まれていました。
ただ毎日毎日しっかり練習をこなしていたのにコンディションは上がらず、身体の動きは鈍っていくばかりでした。本当に悩みに悩んだ年でした。
更にNIPPOというチームはそんな中でもレースには沢山出させてくれていました。ただレースを終える度に更にコンディションを落としていった自分がいました。
身体と心のチグハグさからレースでの落車も多い年でした。
新しいチームで自分の状態を誰にも上手く伝えることができなかった自分が最もダメでした。自分の状態をしっかり伝えて、最もしなければいけなかったことは休養でした。
今になって考えたら分かるのですが、あの時は海外チーム1年目で全てにいっぱいいっぱいで自分がダメなのは練習不足だからだという考えしか頭になかったのです。
そして5月にアゼルバイジャンという国で行われたレースに出場しました。この時のコンディションは更に最悪でした。もう身体に全くパワーが残っていなかったのです。
コーチからは5月、6月にピークを持ってきているので大丈夫だと言われていました。
ただ自分では分かっていましたが、この身体の状態ではこの後すぐにあるツアー・オブ・ジャパンで自分のコンディションのマックスが来ることなんて絶対ないと感じていました(ただ奇跡を信じてハードトレーニングは続けていました)
2017年 ツアーオブジャパン
これは知っている方は知っているかもしれませんが、2017年 ツアー・オブ・ジャパンの南信州ステージで僕は人生2度目の大腿骨骨折をしました。
なぜこのようなことが起きたのかというと、集団から遅れたあとに遅れた事に焦って、下りを攻めて前を追いかけたらコーナーでスリップしたからです。
実際はコンディションが最悪なことは分かっていました。遅れることもあるかもしれないと思っていました。ただなぜ焦ったかというと、NIPPOのチームメートがその時点で誰も遅れていなく僕が最初に千切れたメンバーだったからです。
僕のような脚質がこの南信州ステージで何もアシストもせずに遅れるようなことがあるなんて、それはあってはならないことだったからです。
調子悪いから練習しなくてはと焦らない
この年は気負いすぎたこともあるし、新しいチームで下手なことはできないと考えすぎた年でした。入りが大切だと勘違いしていたんです。
僕の場合ですが、長い休みを取って身体がフレッシュな状態をつくらず練習をしていくと最初こそは良いですが、ハードな練習をこなせばこなすほどコンディションは落ちていきます。
アゼルバイジャン、ツアーオブジャパンの頃は練習もハードメニューをしっかりこなしているのに、もうコンディションは最悪でした。
普通は練習をこなせばこなすほど調子は上がっていくものです。
練習は苦しいですキツいです。そんな思いをしながら練習をこなしているのにコンディションが上がらない時ほど辛いことはありません。
そんな時一旦立ち止まって休んでみるという選択肢もあると思います。
あの時の僕はそんな休むという選択肢は全くないほど余裕がありませんでした。
まとめ~勇気を持って休む~
前回のブログを書いた後でも休むのには勇気がいるとコメントを頂きました。
何月のここにコンディションのピークを持っていきたいという目標があって、それでも長い休みを取らずにずっと乗り続けているという方がいるとします。そのような方は今すぐにでも乗らない期間を作ることが、更に強くなるためにできる1番簡単な方法なのかもしれません。
最後に大事なことを書きます。
まとまって休んだ後、自転車に乗ると凄く弱くなっていて落ち込むかもしれません。
ただそこでそれに滅入ってトレーニングを辞めてしまっては休んだ意味がなくなってしまいます。今がコンディションの底だと自覚してそこからトレーニングをしっかり継続することが大切です。
僕の場合はコンディションが底だと分かっていて、上がることしかない状態になるので、結構楽しく練習に打ち込めています。