ロードバイクは様々なパーツがあって1台のロードバイクが完成する。
フレームから始まりコンポ、ホイール、タイヤなど様々なパーツ。
自分はここまで選手を12年間してきて自ら機材を選べるということはなく供給してもらっているモノを使ってきました。
これまで自転車フレームだけでも10メーカーほどは乗ってきました。それぞれ味があって比べると面白いなと思っています。
例えばフレームは自分がこれ物凄く良いと言っていても他の人に聞いたらそんなに好きじゃないということもありましたし、もちろん逆もありましたし、誰に聞いても良いフレームだったというモノもありましたし、これはちょっとというものもありました。
色々乗って分かることといえばサドルもそうです。
最近レッスンを行う中でサドルが合っていないとどうしてもポジションしっくりこないなということがあるので今回は伊藤流サドルの選び方を書いていこうと思います。
目次
ショートノーズサドルに気を付ける
まずはこれです。
ショートノーズサドル(以下ショートサドル)とは上の画像のように普通のサドルよりサドルの前側が短いサドルのことを言います。
これは正直少し前に流行ったサドルです。
現在ワールドツアーの選手でショートサドルを使っている選手はほとんどいません。
そして自分が言いたいのはショートサドルが悪いというわけではありません。
ショートサドルは日本人には合わないのではないかということです。
少し罠があります。
一見サドルの先端がカットされていることでサドルを前に出し、UCIが定める5cmというルール(身体的な理由がある場合はBBより前に出さなければOK)からは逃れられるのではないかとメリットがあるように感じられます。
確かにこれはメリットです。しかしサドルで一番大事なことはしっかりと座って身体を安定させることです。
ショートサドルの罠は後ろの座面が広すぎるものが多いということです。
そうなると前には座るところがないし後ろも座るところが限定されてしまいます。
そして後ろの座面が使用する人に対して広すぎると深い前傾が取れなくなります。前傾すれば下半身はサドル後ろにいきたがりますが幅が広すぎると後ろにいけません。
坐骨の幅が広い海外の選手はそれでも対応できると思いますが、日本人で坐骨の幅が広い人は珍しいと思っています(大柄な方は別)
そうなってくると姿勢の選択の幅も狭くなってきます。
サドルは色々なところに座って使う筋肉を変えながら走ることでパワーの温存に繋がってくると自分は考えているのでそういった意味でもデメリットになってくるのではないかと思います。
穴あきか穴なしか
サドルにはこのような真ん中に穴が開いているサドルと
穴が開いていないサドルがあります。
これに関しては好みです。
自分は穴が開いているモノの方が股間への圧迫が少ないので好んで使っています。
穴あきが苦手という選手に聞いたら穴が開いている部分がちょうど擦れて痛いから使えないと言っていました。
自分はどちらのタイプも使ったことがありますが穴あきの方が前傾姿勢も取りやすいですし、安定する感覚があります。
坐骨との関係
昔フィッティングをしてもらった時に坐骨がサドル後ろの座面(下の画像赤い丸)にしっかりと乗るようにと坐骨の幅を測ってサドルの幅を決めました。
それは今でも間違いないことだと思っていて坐骨が乗らない幅のサドルはやめておいた方が良いと思います。
ただその時から現在自分の中で変わったことといえばサドル後方の座面が坐骨の幅に対して広すぎるのは良くないということです。
坐骨が乗ることは大事ですが乗りすぎると脚が回らなくなります。そういった場合よくあるのは脚の付け根の部分がサドルと当たってしまうことです。
なので理想はこの赤い線が引いてある箇所、もしくはもう少しだけ内側に坐骨が触るサドルを探すことです。
お尻が安定した上で脚もストレスなく下に下りてくれます。
今年は好きなサドルを使ってよかったので自分のベストを探しました。自分の場合は身長が171cmで坐骨の幅も広くないので座面ができるだけ広くないものを探してアリオネのR1穴あきタイプを選びました。
先程の赤い線部分が坐骨部分と当たって脚がスムーズに下に下りてくれます。
皆さんもサドルを選ぶ際にはお店に行き、坐骨とサドルの後方座面の赤い線部分が当たるか試してみてはいかがでしょうか。
サドル高が適正でないとサドルの性能は分からない
サドル高が高すぎると脚が足りなくなるので骨盤がどちらかに傾き無理やり脚を下ろしていることになります。
そうなってくるとサドルの意味はほとんどなく、どのサドルでも同じです。
むしろそうなってくるとサドルの先端が太い方が身体が安定するのではないかと思います。
傾いた状態でもある程度座れる感覚が増えるからです。
サドルの性能を知る為にはサドル高を適正なところに置かなければいけません。
まとめ
さぁいかがだったでしょうか。サドルの選び方。
特に3番目、4番目は気にして選んでみるとベストなサドルが見つかるのではないかと思います。
最近世界一強いユンボ・ヴィスマのサドルを調べてみるとフィジークのアンタレスを使用している選手が多いみたいでした
自分のレッスンでは意識をするだけで誰にでもできる適正なサドル高を見つけかたを教えています。1mmの違いが分かる人になれます。
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