プロサイクリスト 伊藤雅和

シエルブルー鹿屋監督 伊藤雅和のブログ 選手経験12年 ロードバイク教える人

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自分に何が足りないかを考える力

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選手として活動する上で自分の能力を知って、認めて伸ばしていくこと、改善していくことはとても大切です。

これは選手としてだけではなく生きてく上で大切なことなのではないかと僕は思います。

ただ僕自身、選手としてこの年齢まで活動させてもらった中で自分の能力を知って、特に弱い部分を認めて、そこに真剣に向き合うことは意外と難しいことなのではないかと感じています。

弱いことを認めるというのは選手としての限界を決めてしまうようで怖いという気持ちがあるからです。どこまでも自分の可能性にかけたいという気持ちは誰にでもあることだと思います。

今回の記事はベテランの競技者として若手の選手に向けた記事になっているかもしれません。

僕がもっと若い時に今のような熱意で自転車に向き合っていたかったと後悔しているからです。

 

レース後の調子が悪かったとは

選手がレースが終わった後に結果を残せずよく使う言葉かもしれません。

僕はこの言葉は若い頃によく使った言葉でした。年々使わなくなってきた言葉です。

この言葉を今使うとしたらレース後ではなくレース前に「今回はコンディションが良くない」とチームにきちんと伝えるようにしてます。

レースは出場選手の状態を良く知った上で作戦を考えるべきだと思っているからです。

何回か書かせてもらっていますが、昔と違ってパワーメーター、パワートレーニングがかなり普及している今の時代は自分のコンディションを客観的にみれるようになっています。

なのでレース前に身体がどうなっているかは自分でかなり把握できるようになっています。

しっかり準備してきてもレースは水物なので身体がどうなるかは分かりませんが、コンディション的なことは事前に分かっているはずです。コンディションが明らかに良くないのに走れる程今のレースは甘いものではありません。

つまりレース後の調子が悪かったとは自分の身体とまだうまく対話できていない、準備が足りていないと言ってしまっているようなものです。

 

調子が?足りない所を確認

大事なことは調子が悪かったということではなく何が足りなかったかをしっかり認めて、確認して改善していくことです。

弱い所を自分でしっかり認めることは難しいかもしれませんが見えたことは確実にあると思います。

それに対して逃げずに、いつかは良くなると思わずにどうしたらいいかを周りに経験ある人がいたら聞くのは良いと思いますし、聞くべきだと思います。

僕にも色々と教えてくれる監督、先輩がいました。でも若いうちにもっと積極的に具体的に聞けば良かったと後悔しています。

実績のある監督や先輩に話を聞くと間違ったことは言いません。それが自分に合うかどうかは別の話として引き出しを増やしてくれるのは間違いないです。

自分の改善点を考えて行動していく上で人の意見はとても参考になります。

 

過去の自分を捨てた時

僕は両足の大腿骨を折っていますが、最初左足の大腿骨を折るまで恥ずかしながら自分の身体について、ポジションなど機材について深く考えたことはありませんでした。

弱いところを認めるということもあまりしませんでした。とにかく自分の可能性だけを信じてがむしゃらに突き進むスタンスでした。

もっと考えて競技に取り組むべきだったと自分のキャリアの中で後悔している時期です。特に大学3年生、4年生、愛三1年目、2年目はかなり良くなかったと思っています。

骨を折って、全然走れなくなって自分を認めるのに時間がかかりました。かなり心の葛藤がありました。走れないはずがないと1年半くらいは悩んだと思います。対したこともない過去の自分にすがっていたのです。

骨折から1年半くらいたった時の全日本選手権で全く走れなかった時に昔の自分を完全に捨てました。このままだと全く成長しないと思いました。

そこからは自分の身体、機材について考えるようになりました。

すると徐々にレースでも走れるようになっていきました。強化していく改善していくところが毎日の練習で分かっていて取り組むのと、なんとなく走るのとではコンディションに雲泥の差が表れます。

大切なことは過去の良かった時のことではなく現在の状態を上げていくことです。過去より強くなっていかなければいけないのに過去の良かったことを考えてどうするのか。大切なことは現在の状態です。

 

改善点を書き出してみて行動

改善点を考えたら一旦書き出してみてどのように改善していくかを決めます。

自分で全て改善していくより自分より詳しい人に聞いた方が圧倒的に早いです。

僕もまだ僕より若い選手に教えを乞うことは沢山あります。

日本人は人に聞くということに関して苦手な人が多い気がしてます。

僕は結構苦手でした。こんなこと聞いて迷惑かけないかなとか面倒な奴だと思われたら嫌だなとか考えてしまっていたからです。

聞かれることが多くなった気持ちとして、僕の場合はですが若手選手から何か聞かれることは嬉しいことですし、この選手には強くなってほしいなと思います。

僕に関わってきてくれた監督や先輩方は立派な方ばっかりだったので、もっと沢山若いうちに聞いておけば良かったと後悔しています。

どんどん聞いてどんどん成長してほしいです!

 

 

愛三の時に書いていた記事です。

若い選手達の役に立てたら嬉しいです。

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