サイクルロードレースはエースと呼ばれる選手とアシストと呼ばれる選手に分けられます。
今回は僕が経験したアシスト選手の準備段階の話を書いていきたいと思います。
僕の場合は大きいチームと呼ばれるプロチームにいたのは3年間で、僕の役割はアシスト選手でした。
エースがレースにいない場合、アジアのレースでは結果を狙っても良いと言われることもありました。
規模の大きいチームは完全なエース選手と呼ばれる選手がチームに5人くらいいると思います。様々なレースがある為にこのくらいの人数がいます。
基本絶対的なエースがレースにいる場合とその絶対的エースがレースにいない場合はその出場するメンバーの中でエースを決めて走ります。
エース以外の選手はアシスト選手と呼ばれ、エース選手を助ける動きをします。
エースとアシストの説明は過去に書いていますので読んでみてください。
目次
アシスト選手のレーススケジュール
アシスト選手のレーススケジュールはエース選手のレースが決まってから決まります。
走りのレベルは勿論、コースの特性、そのエースに対しての貢献度や相性などが考えられて決められます。
僕の場合は3年間の中で凄く分かりやすかったアシストの仕事があります。僕は2019年シーズンの契約時に中根英登選手がオリンピック出場する為のポイント取得のアシストを主に頑張って欲しいと言われたことです。
東京オリンピック2020の代表は2名。2019年シーズンと2020年シーズン5月末のレースまでのポイント累計で決まるというものでした。
中根選手とは脚質が近く、レースの終盤苦しい所で助けてほしいとのことでした。
その為僕の2019年レーススケジュールの前半戦は中根選手とほぼ同じレースでした。
そして中根選手本人ともオリンピックの為のポイント取得を一緒に頑張ろうと、寒い時期から一緒の宿に泊まり誰も見ていないようなイタリアの田舎で話し合って、共に練習していました。
そして僕の場合はですが、レーススケジュールは確定できるものは少なく、レースが決まるのはそのレースの直前というものが多かったです。
アシスト選手のコンディション
2019年僕のモチベーションはチーム3年目で慣れてきたおかげで余計なストレスもなく、身体も良い状態でした。
3年間で学んだことは僕のようなアシスト選手はいつでもコンディションを上げておいておかなければいけないということです。
僕はそのような状態を自分自身で作っておかないとレースに出場することが怖いというのもありました。何もできなかったレースほど悲しいことはなかったからです。
エース選手は狙うレースに向けてコンディションを整えていけば良いところはありますが(ただそのレースで結果を出さなければいけないというプレッシャーは半端ではなく、アシスト選手より孤独できつい)アシスト選手は常にその場にいるエースを苦しい時に助けれなければ、他にも言われた仕事をこなすことができなければ存在価値を見出だせません。
アシスト選手といっても終盤の苦しい所で助けてほしいと言われていましたので、そこまでで遅れては意味がありません。
僕がアシストをチームから頼まれている中根選手と同等くらいは走れていないと話にならないのです。
2019年シーズンは僕も気合いを入れて準備して、1月のチームキャンプのレース走では1.2位のグループにはついていけなかったものの、中根選手や有名クライマーのサンタロミータ選手、北海道で優勝したザッカンティ選手と同じグループの3.4.5.6位グループでゴールしました。それくらいのコンディションを作っていきました。
2月からキツいレースが始まるヨーロッパのチームでは、これくらい最初から作っていかないとアシストもできないと3年目でやっと分かったからでした。
このような状態を作って2019年シーズンに入りました。
レース編に続きます。レースでは予想外のことが起こります。