自転車ロードレースは1人ずつ走っていますがチームスポーツと言われています。
チームスポーツと言われる所以は「エース」と呼ばれる選手を勝たす為にチームで作戦を立て、その「エース」の為に「アシスト」と呼ばれる選手達が自分達の成績を犠牲にして走るからです。
「エース」とは何かの記事はこちらです→ロードレース、「エース」とは
目次
アシストの選手はどのようなことをするのか
「アシスト」の選手は「エース」を勝たせる為に、集団を引っ張ったり、「エース」選手の体力消耗を抑える為に走ったり、「エース」選手の安全面を確保したり、「エース」の側にいてトラブルがあった時に助けれるように走ったり、チームカーと呼ばれる選手集団の後ろを走ってる車から物を取ってきたりと様々な仕事があります。
エースの為に集団を引っ張る
「エース」の為に集団を引っ張るとは、これは主にリーダーチームのアシスト選手や、その日勝利を狙える確率が高いチームのアシスト選手が行うことが多いです。
これらのチーム以外は逃げ集団に逃げを入れ損ねたチームが集団を引っ張ったりします。
この集団を引っ張るということは、逃げの記事に書いてあるので是非読んでみてください→「逃げ」とは3~僕が経験した「逃げ」のエピソード
あとは横風が吹きそうな時にエース選手を風を受けながら集団前方に連れていく、もしくは最初から前にいたら集団をハイスピードで引っ張り、集団を縦に伸ばそうとします。
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エース選手の体力を抑えるために走る
「エース」選手の体力消耗を抑える為に走るとは、「エース」選手が風を受けないように走ることです。
「エース」選手の前を走り、横風が吹いた時には前横を走り、とにかく「エース」選手が風を受けないように、風の動きを見ながら、集団内の選手達の動きを見ながら走ります。
上りが強い「エース」選手には上りの強いアシスト選手が着き、最後までペースをつくるなどして「エース」選手の体力を消耗しないように前を走ります。
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エースのために安全を確保する
「エース」の為に安全を確保するとは集団のペースなどが上がって、集団の中がピリピリして落車が起きるかもしれないという時に、アシストの選手が風を受けながら前に上がっていき安全を確保します。
この時、どのチームも前に上がろうとするのでアシストの選手の脚力が試されます。
横風が吹いた時吹なども集団内はナーバスになるのでアシストの選手が風を受け、「エース」選手の安全を確保します。
エース選手の側にいてトラブルに対応する
「エース」選手の側にいてトラブルに対応するとは「エース」選手のタイヤがパンクなどをした時に自分の車輪を渡したり、「エース」選手の自転車が落車などのトラブルで壊れた時に、一旦自分の自転車を貸し出して走り出してもらったりします。
ただ自転車がディスクブレーキロードバイクになるとメカニックがいないと車輪交換はできません。
車輪交換する時やトラブルがあった時などに「エース」選手が止まって対応しなければならない時はその間に集団が前に行ってしまいます。
このような時「アシスト」選手も一緒に止まって待つか、集団から離れゆっくり走って待つなどして「エース」選手が合流したら集団に戻す役割もします。
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チームカーから物を取ってくる
チームカーから物を取ってくるとは、選手の集団の後ろを走っている自分のチームの車(チームカー)からその時必要なものを渡してもらって、チームメートに配るというものです。
その際は集団の最後尾まで下がって集団最後尾の少し後ろを走っている審判車にアピールして自分のチームの車を審判車の横まで呼んでもらい物の受け渡しを開始します。
例えばチームの人数分の飲み物や食べ物をチームカーから受け取ってロードジャージに入れ、チームメートの元まで持っていきます。
雨が降り始めたときなどはレインジャケットを取りに行って配ったり、寒い時などはグローブや防寒着を取りにいったりします。
逆に雨などがスタートの時などに降っていて、途中で晴れたりするとレインジャケットなどを脱ぐので、その脱いだ物をチームカーまで戻しにいくこともあります。
これを何度も行ったり、速いペースの時に行ったりすると意外と体力を削る仕事です。
これも大事な「アシスト」選手の仕事です。
アシスト選手の仕事は多い
「アシスト」の仕事はすることが多い為、体力消耗が激しい仕事があるため、何人かの選手で交代交代に行います。
全ては「エース」選手の為に、チームメートの為に行います。
「アシスト」選手は基本、自分の成績などは考えて走りません。しかし展開によってはアシスト選手にも勝利を狙って良い時がくることもあります。
自分の成績を狙わずチームの為に仕事をする選手がいるので、自転車ロードレースはチームスポーツと呼ばれるわけです。
自分は「エース」を任せてもらったことも、「アシスト」の仕事をしたこともあるので、その自分のエピソードは、また書いていきたいと思います。