プロサイクリスト 伊藤雅和

シエルブルー鹿屋監督 伊藤雅和のブログ 選手経験12年 ロードバイク教える人

ブログ ポジション

今年活躍しそう、アレクサンドル・ウラソフ選手

投稿日:2022年3月1日 更新日:

先日ヨーロッパのレースを見ていて「ウオッ!!」とおもわず声が出てしまった瞬間がありました。

バレンシアナのレースを走っていたアレクサンドル・ウラソフ選手を見た瞬間です。

ウラソフ選手は昨年所属していたアスタナからボーラ・ハンスグローエに移籍しました(レース見るまで知らなかった)

バレンシアナの第3ステージ山頂フィニッシュ(最後はダート)で並みいる強豪選手達を引き離しての優勝。

強い。強いのは知ってたけど、それよりも乗り方物凄く綺麗になってる!

と目玉飛び出るくらい驚きました(私の目が細い為飛び出るわけない)

とにかく今年のウラソフ選手。

怪我さえなけばかなり良いリザルトを残していくのではないかと予想しています。

 

ワールドツアー所属の選手達

もともとワールドツアーの選手はフィジカル的に化け物並の選手ばかりです。

自分がヨーロッパで走っている時にワールドツアーチームに実力で所属している選手達は全員化け物だと思いました。敵うわけがないと。

とにかく身体がデカい。プロチームの選手とワールドツアーの選手達は体つきが違います。後ろから見ると馬みたいです。

そのなかでもグランツールやクラシックなどで活躍している選手たちは化け物の中の化け物です。自分が全開走行している時にまだ息も上がってないです。

 

ウラソフ選手のプロフィールとこれまでの実績

アレクサンドル・アナトリエヴィチ・ウラソフ

1996年4月23日生まれ25歳

身長 186cm

体重 68kg

2019年 ロシア選手権ロード優勝、ツアー・オブ・オーストリア区間優勝

2020年 ツール・ド・ラ・プロヴァンス ヤングライダー賞、ジロ・デッレミリア優勝、ティレーノ〜アドリアティコ ヤングライダー賞

2021年 ロシア選手権個人タイムトライアル優勝

2022年 ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ 総合優勝 など

ちなみに世界最強のタデイ・ポガチャル選手は1998年9月21日生まれ。

これから何年ポガチャル選手最強が続くか楽しみです。対抗のログリッチ、そこに割って入っていく選手は誰なのでしょうか。ウラソフ選手が割って入っていけばまたレースが面白くなりますね。

 

どこが変わったのか

乗り方のどこが変わったのか。

簡単に言えば全身のリラックス度合いが変わりました。

まずは昨年の写真です。

Embed from Getty Images

次は今年の写真です。

Embed from Getty Images

やはりスペシャライズドのフィッターの方は物凄く優秀なんだろうなと思います。スペシャライズドに乗っているワールドツアー選手達は乗り方が似ていて綺麗です。

ウラソフ選手の場合、腕回り、肩回り、上半身は昨年とかなり違いが分かりやすいです。

昨年はポジションが全体的にどこか詰まっているようでハンドルへの荷重が上からかかりすぎているように見えていました。常に身体のどこかしらに力が入っているように見えていました。

ハンドルに上から荷重がかかりすぎていることによって起こる問題は自転車の進むパワーを前にではなく下にかけすぎてしまうことです(自転車が少し進みづらい)

昨年はサドル高が若干高く見えていました(それでも強すぎるけど)

おそらくですがサドル高を昨年より下げてサドルを後ろに引いたなどポジションを変えたと思います(詳しくは前後のデータがないから分からない)

今年は身体がリラックスしてる時間が多い分パワーのロスが少なくペースが上がった時にも余力がありそうです。映像を見ていると今年の方がシッティングでペースを刻めている時間が多いです。

自然と前傾ポジションが取れていることによって今年は頭の高さもかなり低くなっています。

パタッと自然と前に倒れている上半身からいい角度で自転車を前に押し出せています。肩の角度とか全然違いますよね。

自分の覚えている限りでは昨年のポジションでは今年のような自然な前傾姿勢は取れていなかったと思います。身体全体が詰まっていたので前傾姿勢が取りずらくなり身体が起きてしまっていました(それでも強かったけど)

前傾姿勢の取り方はサドル周りだけでなくブラケットの角度でも違ってきます。

前傾姿勢は今年の方が上手に取れていますが昨年の方が前輪側に荷重がかかっています。前荷重ぎみでした。

今年はハンドルとサドルと両方に同じくらいの荷重がかかって力が均等に乗れています。

荷重のかかり具合は昨年と今年では今年の方が圧倒的に良いです。

ポジションの詳細データが出てきた時にはまたブログ、SNSに書いていきたいと思います。

UAEでのレースでは世界最強のポガチャル選手や百戦錬磨のアダム・イエーツ選手にはついていけなかったですが、まだまだシーズン前半戦。今年が楽しみな選手の一人です。

 

 

 

オンラインレッスンはこちらから→オンラインレッスン

-ブログ, ポジション

執筆者:

関連記事

クリートの調整

自転車競技における、「クリート」とは自転車のペダルに靴を固定する為に靴の裏に取り付けるアイテムです。 今日はクリートを取り付ける時に僕が実際行っている調整方法を紹介しようと思います。   ク …

速く走るために

ロードバイクに乗るのに大切な自転車を進ませることについて書いていきたいと思います。   パワーメーターを付けてトレーニング 最近のロード界では「パワートレーニング」が主流になっていて自分も実 …

3種類のタイヤの話

タイヤの種類の話をしたいと思います。 現在自転車界には3種類のタイヤが存在していて、その3種類のタイヤそれぞれの走った感覚、メリット、デメリットについて書いていきたいと思います。   クリン …

オフを取らずに乗り始めて失敗したシーズン

僕達ロードレースの選手は2月~10月(前後1カ月)のシーズンが終わって、3週間から1カ月のシーズンオフを取り自転車に乗り始めます。 1カ月のオフが終わりロードバイクに乗り始めると、ここまで弱くなったの …

JBCF 宇都宮ロードレース

JBCF 宇都宮ロードレースは6.7kmのコースを11周の73.7kmで行われました。 photo by Kanako Takizawa 1周のコース上にはっきり上り坂と呼べる所は2箇所あります。 僕 …

/*---フッターの固定ページ一覧の削除↓↓-----*/ .footermenust { display: none; } /*---フッターの固定ページ一覧の削除ここまで↑↑-----*/