プロサイクリスト 伊藤雅和

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現代で根性論は必要か

投稿日:2020年9月11日 更新日:

現代のロードレースは年々科学的になっており、10年前より5年前よりレースのスピード、強度も上がっていると思われます。

根性は必要かということで結論から言うと自転車に根性は絶対必要です。

今の自転車ロードレース界はパワー、心拍数などでパフォーマンスを管理し、ピーキングもこのレースに向けてコンディションを上げていくなどを決めて、トレーニングカレンダーを作成しています。心拍数だけで練習を管理していた時代とは比べ物にならないほど綿密にトレーニングは管理されています。

あのジロ・デ・イタリアを若くして総合優勝し、数々のワールドツアーのレースを勝利したダミアーノ・クネゴ選手も最近のレースは速いと言っていました。

僕がアジアツアーを周り始めた12年前の大学時代頃はパワートレーニングを行っている選手はほぼほぼ周りにはいませんでした。

上りを何本とか全力でもがくとかそのような練習方法しか知りませんでした。今みたいに何ワットで何分踏むということは聞いたこともありませんでした。

それでもアジアツアーや日本のレースではそこそこ走れていたわけです。僕自身のレベルはその頃に比べたらだいぶ今の方が高いと思います。

アジアツアーや日本のレースも10年前、5年前よりレベルが全体的に上がっていっています。出場しているメンバーにもよりますが、UCIアジアツアーで優勝することは年々難しくなってきていると思います。

昔ももちろん質も大事にしていたと思いますが、今よりだいぶ距離を乗るような練習だったと思います。当時のプロの方達がどのような練習をしていたかは詳しく分からないですが、管理するものさしが心拍数しかないとなると体調管理は今より難しいものだったと思います。ワールドツアーのトッププロの方達ならば当時超高額のパワーメーターをつけていたと思います。

誰しもがパワーで管理するような練習ではなかったので、ある程度根性というものが大事だったと思います。その中で根性論というものもある程度必要でしたし、通らざるおえなかった道だったと思います。部活などでは暑い中とか寒い中とか関係なく凄い距離を踏んだり、沢山食べたりしなくてはならないなど根性で乗り切れみたいなことが沢山ありました。僕は行っていない事でも、そんなことまでしないといけないのか、ということもさせられていたことも知っています。

根性、質より量に頼らないといけないのは、指標が今より少ない中での練習だったからです。

ちなみに心拍数というものだけで見てみると僕の場合はですけど、疲れていると通常時から下がってきます。さらに疲れていると最高心拍は上がりにくくなります。逆に休養日の後などは心拍数は上がりやすくなります。

僕も昔はどちらかといえばシーズン中の練習などで距離を沢山こなせばこなす程レースでもある程度良い成績をおさめられていました。

ただ今の時代、10年前の調整方法でレースに勝てるか、戦えるかと言われればそれはかなりのポテンシャルがなければ不可能だと思います。

昔よりパーソナルトレーナーの方も多くなってきているし、練習のバリエーションも過去とは比べて多くなっていると思うからです。

ただ昔、当たり前のようにあった根性論が今必要ではないかと言われればそれは必要なのではないかと思います。

それは理不尽なもの、暑い中連日何百km走れ!だとか落車のリスクが高まる雨の日の練習の中でもで晴れの日と同様で全力で走れ!だとかではありません。

あくまでしっかりとしたトレーニングプログラムの中で、毎日パワーとにらめっこして練習を積み重ねていくには根性がないと絶対に無理です。

そこで僕は昔培われた根性が役立っていると思います。一輪車の練習も根性がないと無理でした。

暑い中でも熱中症のリスクをしっかり対処した中で、与えられた負荷、与えられた時間のメニューをしっかり遂行する。雨が降っていても、落車のリスクをしっかり減らした上で与えられた負荷、与えられた時間のメニューを遂行する。これを毎日積み重ねていくわけです。

これは物凄く地味な作業です。さぼろうと思えばさぼれるわけです。今日調子悪いから踏まなくていいやと思えば踏まないこともできてしまうわけです。

今回は纏まりのない内容になってしまいましたが、根性論、根性はかなり理不尽なもの以外は今のロードレースでも絶対に役立ちます。

レースでは平均気温10℃以下の雨の中200km走らなければいけないこともありますし、40℃をこえる砂漠の中を走らなくてはいけないこともあります。どんなに厳しい環境、状況に置かれても踏み続けなければいけないことが多々あります。

僕は暑い時より本当に寒い時の方が命の危険性を感じました。寒過ぎる時は本当に気合いで乗り切るしかありません。ガクガク震えながらゴールして、震えがホテルで長い時間シャワーを浴びるまで止まらなかったこともあります。

もし連日暑いからとかいってクーラーの効いている部屋でローラーの方が良いかと悩まずに決断する若手がいたら僕は少し理不尽な、非効率な先輩と思われても、外に行け!環境に慣れることも大切だと叫びたいと思います。

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