プロサイクリスト 伊藤雅和

愛三工業レーシング所属 伊藤雅和のブログ

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JBCF群馬での2レースの作戦の違い

投稿日:2021年5月19日 更新日:

先日群馬でJBCF群馬CSCロードレースが行われました。その3週間前には同じように群馬でJBCF東日本ロードクラシック群馬大会が行われました。

今回カメラマンの三井 至さんより面白い写真を頂いたのでこの2レースの僕達のチームの作戦とレース展開を書いていこうと思います。


photo Itaru Mitsui

面白いと思ったのはこの写真です。

まずは3週間前に行われたJBCF東日本ロードクラシックのレースからです。

 

JBCF東日本ロードクラシック

このレースの1週間前までチームで合宿を行いました。スタッフの方々の協力もあり良い合宿になったと思います。この合宿で全員のコンディションが良くなっていることを確認できました。その流れで群馬に入りました。

僕らのチームはスプリンターが多いです。今回のレースでは8人中3人の勝てる可能性があるスプリンターがいました。その中でも最もコンディションが上がっているのが岡本選手でした。

その為8人出走という人数とメンバーのコンディションを見て最後にスプリントにした時が1番勝率が高いと作戦会議で考えました。

その為レースでは危険な逃げ(有力チームや有力選手の逃げ)をチェックしつつ、最後にスプリントに持ち込む為に全員で働こうということになりました。

レースを作る難しさ

最初からスプリンターの3人以外の5人は前方に固まり逃げをチェックしました。逃げに入ったメンバーもいました。途中で15人程の勝ち逃げになりそうな逃げができた時にチームから5人そこに入った時もありましたが、ナショナルチームの動きが全く読めなくて良い方向にいきませんでした。


photo Itaru Mitsui

ブリヂストンの今村選手が集団から飛び出している時も、僕らのチームはずっと牽引してたので前との差を慎重に詰めたかったのに、ナショナルチームが牽引に入ってはペースを乱されなんだか上手くいかないことが続きました(これは批判ではなく僕らのチームから見て作戦が上手くいかなかった要因です。どのチームにも作戦があることは理解しています)

最後僕自身は牽引に力を使い残り2周の坂で遅れてゴールしました。

その時点で集団には岡本選手と草場選手しかいなく、枚数をあと2枚は残しておきたかったです。


photo Itaru Mitsui

結果最後に1人の選手に逃げ切られてしまい岡本選手がスプリントで2位でした。

レースでは優勝が第1目標なのは当たり前です。ただこのレースでは次の目標になったチームでレースを作るということに関しては、昨年ではできなかったことをチーム全員でできてきたので、昨年に比べてチーム力の向上を感じることができました。結果には繋がらなかったですが、このレースを作るということは意外と難しいことだと思っています。

 

JBCF群馬CSCロードレース

先日行われたJBCF群馬CSCロードレースは出走人数が6人ということと、前回のレースでレースを作る為に人数を割きすぎたこと、前回のレースでナショナルチームが逃げに人を乗せても集団を引き連れてくることなどを考えて後半の勝負所まで脚を残して、後半勝負という作戦になりました。

逃げには反応しますが積極的に逃げ切りは狙わず、最後は絞られた人数の中でやはりスプリントで勝ちたいという作戦でした。

今回のレースはかなり上手くレース展開できていたと思います。ただ誤算だったのはマトリックスのマンセボ選手が逃げに入ってしまったことです。誤算でしたが最後はマンセボ選手が強すぎて、逃げ集団が小さくなっていったのでそれは助かりました。

チームの牽引開始

逃げができてからしばらくして、僕らのチームからは鈴木選手と住吉選手が集団牽引に入ってくれました。同じように逃げにメンバーを乗せれなかったシマノレーシングも僕らのチームと共に牽引してくれました。


photo Itaru Mitsui

もう少しで逃げを捕らえそうな時に、長い時間集団牽引していたメンバーが続々と仕事を終えました。あそこまで仕事をしてくれて凄く助かりました。

レース中の作戦会議

逃げをキャッチする前に集団牽引していたメンバーがいなくなってしまったので、僕ら4人が先頭に出なくてはいけない場面が来てしまいました。これはあまり良いことではないので、岡本選手が先頭に出た時にすぐに名前を呼んで先頭は引かないように言いました。

その時の写真がこれです。

photo Itaru Mitsui

この時話したことは「まだ先頭を自分達で引く時ではない。次の上りで一気にペースを上げて集団を絞りつつ、逃げを捕まえよう」ということでした。

レースはその時その時で作戦を変えなければいけない時がきてしまいます。結果次の上りでは僕らではなかったですが、ペースが上がる展開になり逃げを吸収できました。レース展開で新しく作戦を考えて、話しているところを写真に撮ってもらえることなんて滅多にないので、これは面白い写真だと思いました。

集団を活性化させる為に動く時もあるということです。

最後の勝負

そこからは温存していた4人のメンバーで走らなければいけません。僕以外の3人はスプリントをしてほしいのでなるべく温存で、僕がまずアタックにチェックに入ります。今回のレースでは幸い余力を残しておりほぼほぼそこからのアタックには反応出来たのではないかと思います。

残り1周入る前に、マトリックスの小林選手のアタックにフォローに回り、小林選手、シマノの木村選手、LEOMOの門田選手、ナショナルチームの西本選手、僕の5人での逃げ集団になりました。

僕はこの集団で勝負するというよりは後ろの3人が追い付いてくると信じて走っていたので、ローテーションもあまり真剣には回りません。

この集団からの逃げは許されないので、アタックがあれば反応しました。最後まで行った時には自分がスプリントで勝てるように最後の勝負所は心臓破りの坂だと思って走りました。

すると心臓破りの坂の下からまた小林選手がペースを上げました。

僕の前に2人の選手が小林選手に着きました。しかし2人がキツそうに見えたので、これは僕もチャンスだと思い一気に2人をパスして小林選手も抜いて勝負を仕掛けました。

結果頂上を小林選手とナショナルチームの西本選手と越えて、さぁここからは3人の勝負だなどと思っていると後ろから先ほどの2人と集団から追い付いてきた3人が合流してしまいました。

ここでまた冷静に番手はどこにはまろうと考えていると最後のストレートに入ってしまいました。この時にもう前との差が少し開いてしまっていてそのままゴールしてしまいました。

結果かなりのミスでした。位置取りができていたら今回の結果より良くなったかは分かりませんが、これがレースなのでまだまだだなと大反省しました。

 

1つ目のレースは自分たちで最初からレースを作り勝ちにいく作戦。2つ目のレースは展開にある程度身を任せて他のチームの動きを見てから勝ちにいく作戦でした。どちらも勝ちに繋げられなくて残念です。

これからまた大事なレースが続くので僕もチームももっとコンディションを上げていけるように練習に励みます。

 

 

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